店主のお気にいりブック(3) 「ジャズ詩大全」村尾陸男 ジャズのスタンダード曲の歌詞解釈と和訳、演奏レコードを解説した労作。全20巻と別冊を合わせて完成までに19年を費やしたそうです。ジャズボーカルファン、ジャズボーカリスト志望者必携のシリーズです。
店主のお気にいりLP(1) 「ニューヨークの休日」 メル・トーメ メル・トーメがニューヨークにちなんだ名曲を唄った企画盤。「バードランドの子守歌」「マンハッタン」ほか、とりわけ「ハーレム・ノクターン」が秀逸。「ニューヨークの秋」は数多くの名唱がありますが、ビリー・ホリデーの哀歓のこもった歌唱の対極にある小粋な歌唱となっています。聞き比べると面白いと思います。
店主のお気にいりCD(9) 「戦前と戦後」菊地成孔とペペ・ドルメント・アスカラール 菊地率いるユニークなラテン・オーケストラのハイブリッド盤。以前紹介した小泉今日子の「大人の唄」のセルフカバーを含む菊地のヴォーカルを全面的にフィーチャーした一枚。難解そうですが、新鮮かつコマーシャルな作りで多くの音楽ファンに受け入れられるでしょう。ハイブリッド盤でSACDの音質も良い。
店主のお気にいりCD(8) 「Koizumi Chansonnier」小泉今日子 少し前に出た趣味性の強いシャンソン風の小唄集。早川義夫などがプロデュースして高田渡の曲他を歌っています。とりわけ,鬼才菊地成孔が作曲・プロデュースしデュエットしている「大人の唄」は秀悦で、この曲だけダウンロード購入しても良いでしょう。
店主のお気にいりCD(7) 「LOVE LETTER」加藤ヒロユキ 関西の人気テノール歌手が出した「熱き心に」「黄昏のビギン」など日本の名曲のカバーとオリジナル曲を収めたCD。加藤さんは毎日放送ラジオ「音楽のソムリエ」(金曜25時〜)他で活躍中ですが、ジャンルにこだわらない幅広い音楽に挑戦する姿勢は弊店のポリシーと共通するところです。
店主のお気にいりCD(6) 「日本の歌」ライナー・キュッヒル(ヴァイオリン)/グザヴィエ・ド・メストレ(ハープ) 「浜辺の歌」「早春賦」ほか、日本のなつかしい唱歌・童謡集。類似のものは多数出ていますが、ヴァイオリンとハープの名手同士の組み合わせにより、品格と情緒のバランスがとれた秀悦な演奏です。録音も美しい残響で広さを感じさせます。
店主のお気にいりCD(5) 「エイモス・ミルバーン」エイモス・ミルバーン 店主が観る唯一のTV番組「吉田類の酒場放浪記」(BS-TBS:月曜午後9時)のBGMで使われて60年後の日本で脚光を浴びているピアノ弾き語りブルース歌手の2枚組ベスト盤。番組で使われている「Bad Bad Whisky」「One Scotch,One Bourbon,One Beer」ほか、酒の唄が多数収録されています。ミルバーンはお酒に関する唄で有名ですが、ファッツ・ドミノらのロックンロール歌手に大きな影響を与えたといわれています。
店長のお気にいりブック(2) 「ブリティッシュロックへの旅」山川健一/小川義文 ストーンズ、ビートルズ、キンクス、ピンクフロイド他、ブリティッシュロック誕生の道程を現地取材によるエッセーと写真で振り返る音楽風土記。レコードを聴きながら読まれると理解が一層深まります。
店主のお気にいりブック(1) 「ポートレート・イン・ジャズ」和田誠 / 村上春樹 ジャズの名盤をジャズ愛好家の和田誠のイラストと村上春樹の文章で紹介したジャズ・レコード入門書の決定版。続編と合わせて2冊出版されています。村上春樹の文章は卓越しています。
店主のお気にいりCD(4) 「セッションⅡ」 北村英治カルテット 北村英治率いるカルテット編成の第二作目。近年の録音なので好音質で相変わらずのハッピーなスイングジャズが楽しめます。一作目と異なり高浜和英のボーカルが聞きどころになっています。彼のような小粋でスイングする語り弾きピアニストは我が国では貴重な存在です。